砥部焼で石鎚や瀬戸の海 「椿の湯別館」内装発表 伝統工芸・アート融合
愛媛県松山市が道後湯之町で建設している仮称「椿の湯別館」の内装のデザイン発表会が28日、同市道後公園の市立子規記念博物館であった。道後の歴史や物語をモチーフに愛媛の伝統工芸とアートが融合した壁画や照明など約20作品を約30人が手掛ける。
別館は椿の湯西側の隣接地で7月に起工。露天風呂や道後温泉本館にある皇室専用浴室の又新殿(ゆうしんでん)を再現した特別浴室などを設け、2017年の愛媛国体前の完成を目指している。
1階ロビーでは、和くぎで湯玉を表現。男女の大浴場ではそれぞれ縦2.7メートル、横5.4メートルなど大小3枚の壁画を砥部焼で制作し、石鎚山や瀬戸内海を描く。約60畳の2階休憩室には、道後アート2016で作品を展開している画家の山口晃さんのびょうぶ絵を飾り、大洲和紙や伊予竹細工でできた照明を設置するほか、個室休憩室ではそれぞれ伊予水引や今治タオルなどで道後温泉にまつわる伝説を表現する。
発表会では伝統工芸士らが作品イメージなどを説明。砥部焼の絵付け師山田ひろみさん(59)は「大がかりな制作で、しっかり向き合いたい。砥部焼の可能性を知ってもらい、次世代につなげたい」と意気込みを語り、大洲和紙の作品を制作する斎藤宏之さん(44)は「新技法を取り入れ、見たことないような作品にしたい」と話した。